MIDI 作成ソフトのことを 「MIDI シーケンサ」 と呼びます。
これが無いと始まりませんね。
ということで、まずは フリーソフト (無料) である MIDI音楽編集ソフト 「Domino (ドミノ)」 を インストール します。
【ファイル名に拡張子 (.ZIP) が表示されていない場合】
いろいろと不便なので、表示させておきましょう。
【解凍の方法が分からない場合】
フリーの解凍ソフトをインストールしましょう。
ここでは、私が長年愛用している 「Lhasa32」 を紹介します。
※ 一番下の 「関連付け」 を有効にしておけば、「.zip」 ファイルをダブルクリックすると解凍されるようになります。
※ 「関連付け」 をしない場合は、「Lhasa」 のショートカットに 「.zip」 ファイルを ドラッグ&ドロップ すると解凍されます。
【重要】
必ず行って下さい。
ファイル名にバージョンを残しておくと、後ほど関連付けした時に面倒なことになります。
例えば、C ドライブに 「DTM」 というフォルダを作って、その中に移動させます。
まあ、分かりやすくということで、「Backup」 という名前のフォルダを作成しましょう。
※ ショートカットを作成しておくと、わざわざ Domino をインストールしたフォルダを開かなくても、Domino を起動することが出来て便利です。
※ デスクトップ ・ クイック起動 ・ 送るメニュー 等に置いておくと、便利かと思います。
まずは、音を鳴らすための設定を行います。
Domino を起動すると、下の画面に警告が表示されるかと思いますので、警告に出ている 「MIDI出力デバイス」 こと、「MIDI OUT デバイス」 を設定します。
※ OS が Vista ⁄ 7 の場合は、「Microsoft GS Wavetable Synth」 になります。
【MIDI OUT デバイスの選択肢が存在しない場合】
とりあえず、「(未指定)」 のままで進めて下さい。
(そのままでは音が鳴らせませんが、「#02 オーディオ環境の導入」 で VSTi や SoundFont を導入することで、鳴らせるようになるかと思います。)
【アイコンが になっていない無い場合】
アイコンが ではなく になっている場合は、「右ダブルクリック」 をして下さい。
※ ピアノロールペイン上で 「右ダブルクリック」 をすると、ペンツールと選択ツールが切り替わります。
【音が鳴らない場合】
Windows Media Player の凶悪な仕様 (MIDI を再生すると終了時に音量を勝手に 「0」 にする) により、MSGS の音量が 「0」 になっている可能性がありますので、MSGS の音量を変更します。
とりあえず、安全性を考えて (事前にスピーカー等の音量を確認する間を持たせるために)、問い合わせる形にしてみましょう。
【重要】
環境 (スピーカーの音量等) によっては、とんでもない爆音になる恐れがあります ので、いきなり 「100」 にはしないで、少しずつ上げていった方が安全です。
自分の環境で、ちょうど良い音量になるように設定して下さい。
【音がどうしても鳴らない場合】
とりあえず、そのまま進めて下さい。
(今は音が鳴らせなくても、「#02 オーディオ環境の導入」 で VSTi や SoundFont を導入することで、鳴らせるようになるかと思います。)
続いて、Domino を使いこなすための設定を行います。
Domino を起動すると、下の画面に警告が表示されるかと思いますので、警告に出ている 「音源」 こと、「音源定義ファイル」 を設定します。
※ 「2. 音を鳴らすための設定」 の 「MIDI OUT デバイス」 もそうですが、警告が表示されるということは、つまり、この設定は必須であるということを意味します。
必ず設定しましょう。
【重要】
「音源(音源定義ファイル)」 を設定しないと、次の項目が表示されません。
また、次の 3つのイベントを使用出来ません。
※ 打ち込みの際に、非常に重要なイベントになるであろう 「Pitch Bend」 を使用するために、音源意義ファイルは必ず設定する必要があります。
【音源定義ファイルとは】
「Domino の次の項目を変更するための設定ファイル」 です。
問い合わせが表示されると思いますので、「はい」 にしましょう。
※ 問い合わせが表示されない場合は、手動で 「ファイル → 新規作成」 を行います。
Domino は環境設定を細かく設定することで、操作性が大きく変わります。
自分の使いやすい形に細かくカスタマイズすることが、「Domino を使いこなす」 ことに直結する と言っても、過言ではないでしょう。
ということで、環境設定をカスタマイズしようと思うのですが、まだ使っていないのに 「自分の使いやすい形」 など決まっているはずがありませんので、ここ (チュートリアル) では少しずつ設定して行こうと思います。
ちなみに、関連ページの方で、全ての項目の簡単な説明 を行っていますので、気になる方は先に全てを設定してしまっても構いません。
【関連ページ】
第2章 Domino 解説編
※ 「説明を読んでも意味が分からない」 という場合は、何も考えずに画像と同じ設定にしてみて下さい。
そして、後から 「ここの部分がちょっと使い難いなー」 と感じたら、その時にまた環境設定の該当部分を探して、設定を変えてみて下さい。
では、初めにバックアップの設定を行います。
【重要】
※ 曲が完成したら、不要なバックアップファイルは削除しましょう。
(放っておくと、ファイル数が大変なことになります。 ^^;)
続いて、イベントリストペインの 「時間の表し方」 と 間隔 を変更します。
ついでに、「Event」、「Gate」、「Vel⁄Value」 の間隔も調節しておきましょう。
【イベントリストペインが表示されていない場合】
「表示 → イベントリストペイン → イベントリストペイン」 または 「ツールバーの アイコン」 をクリックして、イベントリストペインを表示します。
環境設定と同じく、「表示 → ツールバー → カスタマイズ」 を細かく設定することで、Domino の操作性は大きく変わります。
自分の使いやすい形に細かくカスタマイズすることが、「Domino を使いこなす」 ことに直結する と言っても、過言ではないでしょう。
ということで、ツールバーのカスタマイズをしようと思うのですが、まだ使っていないのに 「自分の使いやすい形」 など決まっているはずがありませんので、ここ (チュートリアル) では必要に応じて 「ツールバーに設定しておくと便利です。」 というような形で紹介して行こうと思います。
ちなみに、関連ページの方で私の設定を紹介していますので、気になる方はチェックしてみて下さい。
トラックの選択等に便利な 「トラックセレクトペイン」 を表示させます。
こちらもまた 「Domino を使いこなす」 ことに直結する と言っても、過言ではないでしょう。
※ 「ファイル → 環境設定 → ショートカットキー」 や 「表示 → ツールバー → カスタマイズ」 に設定することで、手軽に 「ON ⁄ OFF 切り替え」 も可能なのですが、よほどの理由でもない限りは、一度表示させたら そのまま表示させっ放しで良いと思います。
個人的に、そのままだと ちょっと読み難く感じてしまうので、少し左に詰めます。
※ そのままでも構わない方は、無視して下さい。
参考までに、私はこの程度にしています。
※ 「PortA Ch.01」 の表示が 「A-01」 に切り替わる位置にしています。
なお、トラックセレクトペインの詳しい機能については、関連ページをご覧下さい。
曲情報を入力します。
ここで入力した 「曲名」 が MIDI Player で表示されますので、必ず入力するクセを付けましょう。
曲名を入力します。
書式は特に決まっていませんので、自分の好きなように入力しましょう。
ちなみに、ゲーム曲の耳コピの場合は、「ゲームタイトル」 「ナンバー または トラックナンバー」 「曲名」 「対象音源」 「データ製作者名」 あたりが多いかと思います。
【記入例】
Melty Blood 「No.116 The end of 1000 years (千年城)」 GSm by 逃亡者
著作権表示を入力します。
…二次創作物の場合は、どのような書式が良いのでしょうね??
ゲーム曲の耳コピやアレンジの場合は、「二次創作物です。以下、原曲情報。作詞:作詞者名 , 作曲:作曲者名 , (C) ゲームが発売した年 メーカー名」 というような書き方が無難でしょうか。
(「ゲームが発売した年」 や 「メーカー名」 は、大概、ゲームのタイトル画面に表示されているかと思います。)
「自分のオリジナル曲」 の場合の書式については、検索サイトで 「著作権表示」 と検索するなどして、お調べ下さい。
【記入例】
二次創作物です。以下、原曲情報。作曲:来兎 , (C) 2002 WATANABE PRODUCTION (C) 1999-2001 TYPE MOON
4分音符の長さです。
簡単に言うと、「4分音符に対して何段階の変化を付けることが出来るか」 を設定します。
まあ、「480」 もあれば十分足りるかと思います。
【重要】
特別な理由でも無い限りは、変更しないで下さい。
※ 本講座は 「分解能 = 480」 を前提に進めて行きます。
「SMF (Standard MIDI File) Format 1」 では、一番最初のトラックは 「Conductor Track」 と呼ばれ、「テンポ」 「拍子」 「マーク」 「調号」 といったメタイベント専用のトラックになります。
Domino は SMF Format 1 の形で管理するため、これらのイベントは Conductor Track で設定します。
ファイルの先頭に署名代わりのコメントを残しておくと、何だか格好良い気がしませんか?
(…え、そうでもない? ^^;)
ということで、Conductor Track の先頭に 「サイト名」 「URL」 あたりを記入しておきます。
【重要】
署名代わりのコメントが不要な方は、コメントイベントを削除して下さい。
正直、「【サイト名】 URL」 のままで残っていると、かなり格好悪いです。 ^^;
【イベントリストペインが表示されていない場合】
「表示 → イベントリストペイン → イベントリストペイン」 または 「ツールバーの アイコン」 をクリックして、イベントリストペインを表示します。
【一番上にコメントイベントが無い場合】
テンポの設定は Conductor Track で行います。
【重要】
ちょっとした注意事項がありますので、一読しておいて下さい。
【テンポの設定】
※ 1つ目の方は、そのまま残しておきます。
【イベントリストペインが表示されていない場合】
「表示 → イベントリストペイン → イベントリストペイン」 または 「ツールバーの アイコン」 をクリックして、イベントリストペインを表示します。
【解説】 1つ目のテンポの値を変更してはいけない理由
曲の先頭では、大概 「リセット (初期化)」 と呼ばれる処理を行うイベントが設置されています。
(具体的には、「GM System On」 「GS Reset」 「System Mode Set」 「XG System On」 「GM2 System On」 「GM System Off」 などです。)
その処理にはある程度の時間が掛かるため、処理が終わるまでは他のイベントを送信してはいけません。
(リセット処理中は他のイベントを受け付けません。)
1つ目のテンポを変更してしまうと、「リセット処理のために必要な時間」 を確保出来なくなり、「楽器の変更」 「位置の変更」 「音量の変更」 等のイベントが正しく処理されない恐れがあります。
ちなみに、YAMAHA MU2000EX のマニュアルには次のように書かれています。
このメッセージの実行には、約 50[ms] かかるため、次のメッセージとの間隔を注意すること。
「ms」 はミリ秒のことで、50ms は 0.05秒 になります。
これは、おおよそ 「テンポ = 120.000」 の時に 「Step = 48」 になるようです。
[計算式] 60秒 ⁄ 120 = 0.5秒 (「Tempo = 120.000」 は、「1分間に4分音符が 120個」 の意) 0.5 ⁄ 0.05 = 10 (必要な時間は 「0.05秒」) 480 ⁄ 10 = 48 (「分解能 = 480」 の時、4分音符の Step値 は 「480」)
XG音源の最高峰である MU2000EX が 「約 50ms かかる」 と言っているのですから、おとなしく確保しておきましょう。
私の定義ファイルでは、初期化命令の Step値 を若干余裕を持って 「60」 にしてあります (さらに、GSm の定義ファイルでは、念のためテンポを半分の 「60.000」 にしてあります) が、1つ目のテンポの値を変更すると、「リセット処理のために必要な時間」 を確保出来なくなり、正しい演奏にならない恐れがあります。
ということで、1つ目のテンポの値は変更しないで下さい。
(遅くする分には構いませんが。)
【曲の途中でテンポを変更する場合】
もしくは、イベントグラフペインの数字の部分をクリックして、演奏線の位置にテンポイベントを挿入します。
【連続でテンポを変更する場合】
※ 右下のステータスバーに 「カーソル位置」 と 「値」 が表示されますので、操作時に参照して下さい。
【ステータスバーが表示されていない場合】
「表示 → ステータスバー」 にチェックを入れます。
※ 値はテキトーで構いません。
Domino Version 1.41 現在、イベントグラフペインはテンポ入力用としては向いていないので、値はテキトーにならざるを得ません。
(意図通りの値が入力出来ないため。)
※ 「domino⁄要望⁄205 - Takabo Soft Wiki* (テンポに関する要望3つ)」 の実装待ちです。
【イベントグラフペインが表示されていない場合】
「表示 → イベントグラフペイン1 → イベントグラフペイン1」 または 「ツールバーの アイコン」 をクリックして、イベントグラフペイン1 を表示します。
拍子イベントは Conductor Track に保存されます。
【拍子の設定】
挿入する拍子を設定します。
【マークとは】
マークバーをクリックすることで、マークイベントの位置に演奏線が移動します。
小節間の移動が楽になるため、非常に便利です。
【マークバーの設定】
「ファイル → 環境設定 → 全般 (1)」 で、「マークバーのラベル表示方法」 を 「小節番号 ラベル」 にしておくと、範囲選択の際に小節番号を確認出来るため、便利になるかと思います。
【マークの追加】
※ ラベルは無記入でも構いません。
※ ラベルが無記入の場合は、「M + 小節番号」 が表示されます。
音楽の知識が無いので、何のために設定するものなのか、よく分かりません。 ^^;
とりあえず、イベントリストペイン上の 「♯」 と 「♭」 の表示を変更する ことが出来るようです。
【イベントリストペイン上の 「♯」 「♭」 の表示を変更する方法】
「ファイル → 環境設定 → イベントリスト (2)」 で、「調号に合わせてノートの表記(#,b)を変える」 にチェックを入れておくと、調号イベントの設定に合わせて、イベントリストペイン上の 「♯」 「♭」 の表示が変わります。
【調号の設定】
※ 調号イベントの設定内容は、ピアノロールペインのヘッダー部分の小節番号の後ろに (○○) の形で表示されます。
【重要】
スケールイベントは SMF に保存されません。
(「ファイル → SMF書き出し」 時に破棄されます。)
音楽の知識が無いので、何のために設定するものなのか、よく分かりません。 ^^;
とりあえず、「表示 → ピアノロールペイン → スケール⁄コードを表示」 と連携することで、ピアノロールペインに色分けをする ことが出来るようです。
※ スケールイベントの設定内容は、ピアノロールペインのヘッダー部分の小節番号の後ろに <○○> の形で表示されます。
【重要】
コードイベントは SMF に保存されません。
(「ファイル → SMF書き出し」 時に破棄されます。)
音楽の知識が無いので、何のために設定するものなのか、よく分かりません。 ^^;
とりあえず、「表示 → ピアノロールペイン → スケール⁄コードを表示」 と連携することで、ピアノロールペインに色分けをする ことが出来るようです。
※ コードイベントの設定内容は、ピアノロールペインのヘッダー部分の小節番号の後ろに [○○] の形で表示されます。
エクスクルーシブ用のトラックとして、「System Setup」 トラックを用意してあります。
※ エクスクルーシブイベントを同じ位置に置くのは好ましくないので、位置が被らないように専用のトラックを用意した方が良いです。
【重要】
エクスクルーシブイベントは、必ず Step を 「4」 くらい以上 にしましょう。
Step が 「0」 のエクスクルーシブが大量にあると、正常に処理されない恐れがあります。
音源定義ファイルによっては、イベントリストペインでダブルクリック すると、各イベントの簡単な説明文が読めますので、「これって何のためのイベントだろう?」 と気になった場合は、ダブルクリックして説明文を読んでみましょう。
ここでは、MIDI を公開する上での基礎知識となる、リセット (初期化メッセージ) について、少しふれておきます。
【リセット (初期化メッセージ) とは】
文字通り、全てのパラメーターを初期化するためのイベントです。
同時に、音源のモードの変更 も行われます。
【重要】
リセットが無い MIDI は失格ですので、絶対に削除しないで下さい。
※ VSTi など、「GM ⁄ GS ⁄ XG ⁄ GM2 規格に対応していない音源」 の場合は除きます。
(これらに対応していない音源用の MIDI の場合は、リセットは必要ありません。)
では、何故必要なのかを簡単に説明します。
GM 規格の初期化メッセージです。
全パラメーターを初期化して、「GM モード」 に切り替えます。
リセットを掛けるというよりも 機能を制限する ことが目的なので、その意図が無い場合は使うべきではありません。
GM モードでは、拡張音色 (Bank MSB ⁄ LSB が 「0 ⁄ 0」 でない 音色) は使用出来なくなります。
(つまり、使用出来る音色が 「128種類」 に制限されます。)
また、MSGS の場合は、ドラムの追加やレイヤーの使用が出来なくなります。
このような制限があるため、基本的には GM モードは使うべきではありません。
(言葉を選ばないで説明すると、GM モードではロクなものが作れないでしょう。)
ただし、MSGS の場合は、先頭に GM System On を入れておく必要があります。
【GM System On が必要な理由】
「OS が XP までの MSGS」 は、GM2 System On または GM System Off を受信すると、音が一切鳴らない無音状態になります。
この無音状態を解除するためには、GM System On を受信させる必要があります。
(GS Reset では解除されません。)
GM System On を入れておかないと、閲覧者が直前に訪れたサイトで GM2 System On または GM System Off が入っている MIDI を再生していた場合に、音が一切鳴らないことになります。
GM System Off が使われていることは滅多に無いと思いますが、GM2 System On の方は油断出来ません。
Roland SD シリーズでは使用されるでしょうし、他にも 「GM との互換性があると誤解」 して使われていることがあります。
閲覧者が正しく MIDI の演奏を聞けるように、製作者は GM System On を入れておくべきです。
GS 規格の初期化メッセージです。
全パラメーターを初期化して、「GS モード」 に切り替えます。
GS モードになることで、全ての機能を使用出来るようになりますので、MSGS では絶対に入れる必要があります。
よく MSGS はショボイと言われていますが、それは GM モード で (わざわざ機能を制限して) 使用しているからだと思います。
GS モードにして、音色選択時に拡張音色 (Bank MSB が 「0」 以外の音色) も選択肢に入れて、さらに使用していない (あまった) CH をドラムパートに変更して、ドラムの音色を作り込むことで、MSGS の表現力は格段に増します。
(例えば、FC の曲を耳コピする場合は 「0:0:81 Square Wave」 を使用するよりも、「1:0:81 Square」 「8:0:81 Sine Wave」 「1:0:82 Saw」 「0:0:8 Clav.」 「8:0:29 Funk Gt.」 などを使用する方が、原曲に近くなるはずです。)
イベントリストペインで、トラック毎の基本設定を行います。
(私の定義ファイルでは、「---- CH Setup ----」 内のイベントになります。)
【イベントリストペインが表示されていない場合】
「表示 → イベントリストペイン → イベントリストペイン」 または 「ツールバーの アイコン」 をクリックして、イベントリストペインを表示します。
【環境設定】
まずは、イベントリストペインの視認性を向上させるために、環境設定を行います。
イベントリストペインの Step欄の 「0」 は、表示しない方が見やすくなるかと思います。
※ Step欄が表示されていないイベントは、直後のイベントと位置が被っているということを意味します。
※ 演奏中などにカーソルを見失いがちになるため、着色をしておいた方が良いかと思います。
※ 設定内容は、各自の好みに合わせて下さい。
【楽器を変更する】
では、楽器を変更してみましょう。
※ 耳コピする時は、なるべく原曲に近い音色の方が、音程を拾いやすくなるかと思います。
※ DTM の世界では 「音色 (おんしょく) を変更する」 というような言い方をします。
ソフト音源の仕様だと思うのですが、MSGS や S-YXG50 は、「Domino を起動した時」 および 「環境設定で MIDI-OUT を一度でも表示した後で OK した時」 に 「GM モード」 になる ようです。
※ 「GM モード」 では、機能制限により、一部の音色が使用出来なくなったり、ドラムを追加出来なくなったりします。
全ての音色が選択可能になる 「GS モード」 や 「XG モード」 にするために、まずは 「Setup小節 (1小節目から2小節目まで)」 を演奏して、GS Reset や XG System On を受信させる必要があります。
【Program Change が存在しない場合】
「挿入 → プログラムチェンジ」 または 「ツールバーの アイコン」 をクリックして、挿入された 「Program Change」 をダブルクリックします。
※ 「1000 ms」 のままでも構わない方は、無視して下さい。
※ バンク欄に 「Bank MSB、Bank LSB」 の値が表示されている方が、音色を探しやすくなるかと思います。
【定位 (位置) を設定する】
そのパートの定位 (位置) を設定します。
※ 耳コピする時は、なるべく原曲と同じ位置で鳴らした方が、音が拾いやすくなるかと思います。
※ 「Ctrl + ↑ ↓」 でも、値を変更することが出来ます。
【音量を設定する】
そのパートの音量を設定します。
※ 「Ctrl + ↑ ↓」 でも、値を変更することが出来ます。
【その他の基本設定】
その他のイベントの意味については、ダブルクリックすると読める説明文を参照して下さい。
MSGS の場合は、基本的には、特に値を変更しなくても良い場合が多いです。
(音色作り用に Pitch Bend を設定するくらいだと思います。)
音符のことを MIDI シーケンサでは 「ノート」 と呼びます。
(…というか、「音符」 の英訳が 「Note」 ですね。)
ということで、ノートの入力方法を見て行きます。
【ピアノロールペインを広くする】
まずは、「ツールバーの アイコン」 や 「ツールバーの アイコン」 をクリックして、イベントリストペイン や イベントグラフペイン を非表示にします。
(その分、ピアノロールペインが広くなり、入力しやすくなるかと思います。)
※ よく切り替えると思われますので、ツールバーの 「クリックしやすい位置」 に配置しておくことを推奨します。
ちなみに、私は表示切り替え関連は左下に集めています。
※ 「ファイル → 環境設定 → ショートカットキー」 も便利です。
Start 小節から入力する
ノートの入力は、「Start」 小節から行います。
【重要】
Setup小節 (1小節目) にノートを置いてはいけません。
7. トラックの基本設定 で 「音色 ・ 位置 ・ 音量」 等の設定を行いましたが、それらを設定した小節が 「Setup小節 (1小節目)」 になります。
「Setup小節 (1小節目)」 にノートを置いてしまうと、「最初の1音を鳴らしてから、音色等を変更する」 という状態になるため、正しい演奏になりません。
【ノートを入力する】
ノートの入力方法を簡単に説明します。
すると、音が鳴って、クリックした位置にノート (青色のバー) が置かれます。
【アイコンが になっていない無い場合】
アイコンが ではなく になっている場合は、「右ダブルクリック」 をして下さい。
※ ピアノロールペイン上で 「右ダブルクリック」 をすると、ペンツールと選択ツールが切り替わります。
「ファイル → 環境設定 → ピアノロール (2)」 で、「ノート挿入時のクォンタイズ方式」 を 「左寄せ」 にします。
※ 逆に、「左寄せ」 の方が違和感があるという方は、「近い位置へ」 に設定して下さい。
ノートが移動するたびに、音が鳴りますね。
移動したマスによって、音程が変わりますので、原曲と聞き比べながら正しい音程を探ります。
このように、ドラッグしながら音程を探る のが基本となります。
※ ノートを置かないで、音程を探るだけにしたい場合は、左クリックではなくて右クリックを使用します。
(マウスの左ボタンでドラッグするのではなくて、右ボタンでドラッグして、音程を探ります。)
ちなみに、ノートを置いてからドラッグして移動させるのではなくて、初めから (ノートを配置する前に) ドラッグすると、ボタンを離した位置にノートが置かれます。
※ 「ノートを配置する → 音程を変更する」 という2動作が、「音程を探りながら、ノートを配置する」 という1動作になります。
こちらの方が打ち込みの時間が短くなりますので、オススメです。
ちなみに、ノート移動時に キーボードの 「←」 「→」 キーを押す ことでも、ノートの長さを変えることが出来ます。
アイコンが の時にドラッグすると 「移動」 に、 の時にドラッグすると 「長さの調節」 になります。
「ファイル → 環境設定 → ピアノロール (1)」 で、アイコンが切り替わる位置を設定出来ます。
「ファイル → 環境設定 → ピアノロール (2)」 で、「ノートの左端をドラッグしてGateを調節できるようにする」 のチェックを外します。
ツールバーの アイコンをクリックするなどして、イベントリストペイン上で入力されたノートの 「Vel⁄Value」 欄の値を変更します。
他にも、イベントグラフペイン で値を変更することも可能です。
具体的な方法については、Domino のマニュアルの 「置いたノートの強さ(Velocity)を変えるには」 を参照して下さい。
(Domino のマニュアルは、Domino をインストールしたフォルダの 「Manual」 フォルダの中の 「index.htm」 をダブルクリックすると読めます。)
この時、「デフォルトベロシティ」 が変更した Velocity の値に切り替わるのですが、個人的には、それだと使い難いので、「ファイル → 環境設定 → デフォルトGate⁄Velocity」 で、「デフォルトGate⁄Velocityの自動変更」 を 「オフ」 にします。
※ 「オン」 の方が使いやすいという方は、「オン」 に設定して下さい。
「ファイル → 環境設定 → デフォルトGate⁄Velocity」 で 「Velocityの[増やす][減らす]量」 を設定します。
※ 値は、自分の使いやすい値に設定して下さい。
【入力するノートの 「移動距離」 を設定する (ツールクォンタイズ)】
ツールバーの コンボボックス で、ノート配置時の 「移動距離」 を設定します。
(例えば、3連符を入力する場合は、「3連8分音符」 等を設定します。)
個人的に、並び順が ちょっとややこしいので、「ファイル → 環境設定 → 全般 (2)」 で、「音符の並び」 を 「種類別長い順」 に設定します。
※ 「長い順」 の方が使いやすいという方は、無視して下さい。
ツールバーの ボタン が ON になっていると、ノート配置時の 「移動距離」 が 「ツールクォンタイズ」 の設定の値になります。
また、ツールバーの ボタン が ON になっていると、ノートの右端をドラッグした時や、ノート移動時に キーボードの 「←」 「→」 キーを押した時の 「ノートの長さの増減量」 が、「ツールクォンタイズ」 の設定の値になります。
ツールバーに 「各音符のクォンタイズ」 を設定しておくと、コンボボックスから選択する形ではなく、直接クリックする形で設定出来ます。
【入力するノートの 「長さ」 を設定する (デフォルトゲート)】
ツールバーの 欄 で、入力するノートの 「長さ」 を設定します。
【入力するノートの 「強さ」 を設定する (デフォルトベロシティ)】
ツールバーの 欄 で、入力するノートの 「強さ」 を設定します。
【重要】
正確には、ベロシティは 「強さ」 という意味ではなく、「速さ」 という意味で、「鍵盤を押す時の速さ」 の値 ということになります。
したがって、必ずしも 「ベロシティ = 音の強さ」 とはなりません。
音源によっては、「ベロシティの値で音色の種類が変わる」 というものも存在します。
※ このような機能は 「ベロシティスイッチ」 や 「ベロシティレイヤー」 などと呼ばれるようです。
(例えば、エレキギターの音色で、ベロシティが 「93」 以下の場合は、ハーフ・ミュートの音色に変わるというものがあります。)
ベロシティスイッチに対応していない音源あるいは音色では、「ベロシティ = 音の強さ」 と解釈することが多く、ベロシティによって1音1音の音量を調節することが出来ます。
ツールバーに 「強弱記号」 を設定しておくと、値を入力する形ではなく、直接クリックする形で設定出来ます。
※ 「ファイル → 環境設定 → デフォルトGate⁄Velocity」 で、「強弱記号とデフォルトVelocityの関係」 を設定しておきましょう。
※ それぞれの値は、自分の使いやすい値にして下さい。
【ノートパレットを作成する 】
ノート入力用に、ノートパレットを作成しておくと便利です。
関連ページを元に、ノートパレットを作成しましょう。
※ 不要な方は、無視して下さい。
【別のトラックのノートを表示する (ピアノロールオニオンスキン)】
ピアノロールペインに別のトラックのノートを表示する 「ピアノロールオニオンスキン」 の使い方について、簡単に説明します。
※ 「Ctrl」 キーを押しながら別のトラックをクリックすると、オニオンスキントラックが追加されます。
※ まとめて解除も出来ます。
【Ch.10 = ドラムパート】
【基本事項】
MSGS ・ GS音源 ・ XG音源では、「Ch.10」 がドラムパート になります。
※ これは GM規格 というもので規定されていますので、GM対応音源は全て該当するはずです。
【ピアノロールペインの種類を切り替える (Program Change を設定する)】
【重要】
Program Change を設定することで、ピアノロールペインの種類を切り替えます。
(ドラムの楽器名の表示を切り替えます。)
※ ドラムの入力を開始する前に必ず行って下さい。
「ファイル → 環境設定 → ピアノロール (1)」 で、「リズムトラックの各楽器名のノート番号」 を 「表示する」 に設定します。
同じく、「ファイル → 環境設定 → イベントリスト (1)」 で、「リズムノートイベントのノート番号」 を 「表示する」 に設定します。
※ GM ・ GS ・ XG 規格 では、大体の番号が決まっていますので、「楽器名よりも番号で把握」 した方が探しやすいかと思います。
【重要】
MSGS ・ GS音源 ・ XG音源 の場合は、必ず 「トラック情報の更新」 にチェックを入れて、OK して下さい。
ピアノロールペイン上に 「楽器名 と Note No.」 が表示されているかと思いますが、「新規作成」 時 には 「No.35 〜 No.81」 までしか表示されていません。
例えば、「GSm (Microsoft GS Wavetable SW Synth)」 の定義ファイルでは、Program Change をダブルクリックして、トラック情報を更新することで、「No.27 〜 No.87」 まで表示されるようになります。
初期状態では GM規格 のドラムマップが表示されるため、「No.35 〜 No.81」 までしか表示されません。
※ 単に名前が表示されていないだけで、音自体は鳴ります。
使用可能な Note No. の範囲を、本来よりも狭い範囲で (間違って) 覚えてしまわないように、ドラムを入力する前に必ず Program Change を設定して下さい。
【入力するノートの 「クォンタイズ」 「ベロシティ」 を設定する】
ノート入力時は 「移動距離 (クォンタイズ)」 「長さ (ゲートタイム)」 「強さ (ベロシティ)」 の3つを設定していましたが、ドラムの場合は 「移動距離 (クォンタイズ)」 「強さ (ベロシティ)」 の2つになります。
Domino では、ドラム入力時の ノートの長さ (Gate の値) が固定になっていて、音源定義ファイルで値を設定しておく仕様になっています。
「デフォルトGate」 が中心になっているノートパレットは、ドラムでは使い物にならないので、ドラム用のノートパレットを作成しておくと便利かと思います。
ちなみに、私は 「ファイル → 環境設定 → ショートカットキー」 で、「表示 → ツールバー → ユーザー定義ツールバー (2)」 に 「Ctrl + Caps Lock」 を設定して、表示を切り替えています。
【ドラムパートの追加方法】
MSGS ・ GS音源 ・ XG音源では、ドラムパートの追加はエクスクルーシブで行います。
つまり、「System Setup」 トラックで設定します。
【GSm (Microsoft GS Wavetable SW Synth) の場合】
デフォルトで、全CH分の 「201 GS ドラム追加」 の CCM (コントロールチェンジマクロ) を設置してありますので、ドラムパートに変更したい CH の 「Vel⁄Value」 欄を 「1 Drum1」 に変更します。
【XGb (S-YXG50、MU50)、XG2k (MU2000EX、MU1000EX) の場合】
デフォルトで、「---- Drum 追加 ----」 の後に 「200-202 Drum 追加」 の CCM を設置してありますので、ダブルクリックして 「202 XG ドラム追加」 に変更して、設定します。
【ドラムパートにならない場合】
意図せず GM モード になっている可能性があります。
「Setup 小節 (1小節目から2小節目まで)」 を演奏してみて下さい。
※ 音色変更時と同じく、GM モード ではドラムの追加は出来ませんので、GS モード または XG モード にしておく必要があります。
「ファイル → 名前を付けて保存」 または 「ファイル → 上書き保存」 で、「.dms」 形式で保存します。
特に 「上書き保存」 は頻繁に使用すると思われますので、ツールバーの 「クリックしやすい位置」 に配置しておくことを推奨します。
【重要】
編集中の曲の保存は 「.dms」 形式で行って下さい。
※ 「.mid」 形式では、いくつかの情報が破棄されてしまいますので、「.mid」 形式で保存するのは、「曲が完成して、MIDI を公開する時」 か、「他のソフト (DAW 等) に渡す時」 だけになります。
【「.mid」 形式では破棄される情報の例】
(他にもあるかもしれません。)
Domino の便利機能の情報が破棄される感じです。
「.dms」 ファイルを Domino に関連付けしておくことを推奨します。
関連付けを行うと、「.dms」 ファイルをダブルクリックすることで、「Domino を起動 → ファイルの読み込み」 が行われるようになります。
また、アイコンが変更されるため、パッと見で 「.dms」 ファイルであることが分かるようになります。
ちなみに、私の場合は、後者の目的で関連付けしています。
「Domino140」 や 「Domino141b」 など、フォルダ名にバージョン情報が入っていると、関連付け後に Domino をバージョンアップさせた際に面倒なことになります。
※ 関連付けをやり直す時に、レジストリの操作を行わないといけなくなります。
※ OS によって微妙に表記が異なるかもしれませんが、その辺は各自で応用して下さい。
曲が完成したら、曲の終了位置を設定します。
デフォルトの設定だと分かり難いので、「ファイル → 環境設定 → トラックリスト」 を設定しておくことを推奨します。
※ お好みの設定にして下さい。
「ファイル → SMF書き出し」 または 「ツールバーの アイコン」 をクリックすると、「.mid」 形式で保存します。
【重要】
編集中の曲の保存は 「.dms」 形式で行って下さい。
※ 「.mid」 形式では、いくつかの情報が破棄されてしまいますので、「.mid」 形式で保存するのは、「曲が完成して、MIDI を公開する時」 か、「他のソフト (DAW 等) に渡す時」 だけになります。
【「.mid」 形式では破棄される情報の例】
(他にもあるかもしれません。)
Domino の便利機能の情報が破棄される感じです。
【SMF とは】
「Standard MIDI File」 の略です。
ようするに 「.mid」 ファイルのことです。
SMF には 「Format 0」 「Format 1」 「Format 2」 の3種類がありますが、Domino は 「Format 0」 と 「Format 1」 の2種類の読み書きに対応しています。
【Format について】
保存時に 「フォーマット」 の選択が可能ですが、「format 1(通常はこちら)」 と書いてあるように、基本的には Format 1 で保存します。
※ Format 0 では、「トラック名」 や 「トラックの構成」 といった情報が記録されませんので、不便です。
言葉を選ばないで説明すると、「Format 0」 で保存するのは、「Format 0 にしか対応していないような 古臭い設計の 機材やソフトに渡す時だけ」 になります。