初心者になるための耳コピMIDI講座

#02-08 ASIO Driver と MME Driver

ASIO Driver の導入

VSTHost の 「Devices → Wave」 の 「Output Port」 に 「ASIO: ○○」 が存在しない場合は、フリーの ASIO Driver を導入します。

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【ASIO Driver とは】

簡単に言うと、DTM 用に特化したサウンドドライバ で、OS 標準の 「MME ドライバ」 や 「Direct Sound ドライバ」 と比べて、ソフト音源のレイテンシ (発音遅延) を大きく減らすことが出来ます。

ASIO 以外にもレイテンシ (発音遅延) を減らすドライバは存在しますが (WASAPI など) 、2011年11月現在では、まだまだ ASIO が主流になっているんじゃないかなーと思います。

【レイテンシ (発音遅延) とは】

簡単に言うと、「Domino のピアノロールで右クリックしてから、音が鳴るまでの時間 (MIDIキーボードのキーを押してから、音が鳴るまでの時間)」 です。

レイテンシ (発音遅延) が大きいと、ワンテンポ遅れて発音するため、打ち込みが非常に難しくなります。

ここでは、代表的なフリーの ASIO Driver である 「ASIO4ALL」 を導入します。

※ VSTHost の 「Devices → Wave」 の 「Output Port」 に 「ASIO: ○○」 が存在する場合は、導入する必要はありません。

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【重要】

ASIO 対応の 「オーディオIF」 と呼ばれる機材 (サウンドカードとか、USB オーディオとかの類) を購入済み (または購入予定) の方は、「ASIO4ALL」 を導入する必要はありません。

※ 購入した機材のメーカーサイトより、その機材用の最新版の ASIO Driver を DL して、そちらを導入する方が安定して動作するかと思います。

  1. ASIO4ALL - Universal ASIO Driver より、最新版の ASIO4ALL を DL します。

    言語別に何種類もありますが、とりあえず、English版 で良いかと思います。

    【サイトに繋がらない場合】

    サイトに繋がらない場合は、窓の杜 - asio4all より、ASIO4ALL を DL して下さい。

  2. VSTHost や Domino を起動している場合は、終了させて下さい。
  3. OS が XP の場合は、DL した 「ASIO4ALL_○_○_English.exe」 をダブルクリックします。

    ※ OS が Vista 以降の場合は、ダブルクリックではなく、右クリックして 「管理者として実行」 を選択して下さい。

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  4. 指示に従ってインストールするのですが、途中で 「Off-Line Settings」 にチェックを入れて下さい。

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    【ReWuschel について】

    「ReWuschel」 は、DAW の類で 「ReWire」 という機能を使用する際に必要なものらしいですので、「ReWire」 を使用する予定がある方はチェックを入れて下さい。

    (※ 「Domino + VSTHost」 の組み合わせでは、通常は使用しません。)

  5. インストールが完了したら、「スタート → すべてのプログラム → ASIO4ALL v○」 から 「ASIO4ALL v○ Off-Line Settings」 を起動します。

    ※ OS が Vista 以降の場合は、右クリックして 「管理者として実行」 を選択して下さい。

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  6. 安全性のために、「Input」 の設定を無効にします。

    【警告】

    環境によっては、「Input」 の設定が有効になっていると、VSTe を起動しただけで 「ヘリコプターのプロペラ音」 のような感じの 「時間の経過と共に増幅して行くタイプのノイズ」 が発生する 場合がありますので、念のため 「Input」 の設定は全て無効にしておいた方が安全な気がします。

    1. 右下の 「Advanced Options」 アイコンをクリックします。

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    2. 左上の 「WDM Device List」 に 「+」 マークが表示されますので、全てを開きます。

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    3. 「Input」 的な表記のあるデバイスの 「電源ボタン (?)」 を全て切ります。

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    4. 設定が完了したら、Off-Line Settings を終了します。

音量を調節する

【重要】

ASIO Driver は、OS の音量調節機能が効きませんので、「常に最大音量で鳴らす」 という感じになります。

「予想外に大きな音が鳴って、耳や機材を破壊してしまう」 なんてことにならないように、VSTHost 側で音量調節をしておきましょう。

  1. まずは、「Devices → Wave...」 で、ASIO Driver を設定します。

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    1. 「Input port」 は使いませんので、「* No Wave *」 にします。

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      ※ 下手に何かを設定すると、とんでもない爆音が発生して、耳や機材を破壊してしまう恐れがあるかも…?

    2. 「Output Port:」 は 「ASIO: ○○」 を設定します。

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    3. 「Sample Rate」 は、とりあえず 「44100」 にしておきます。

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    4. 「Buffer Size」 は、何となくキリが良い 「440」 にしておきます。

      【警告】

      環境によっては、あまりにも小さい値にすると致命的なエラーが発生する 恐れがありますので、ご注意下さい。

      ※ 私の環境では、「ASIO4ALL + オンボード」 で最小値に設定したら、暴走したような感じになってしまい、あわてて Windows を再起動したところ、OS が立ち上がりませんでした。

      (久しぶりにブルースクリーンを見ました。 ^^;)

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  2. 「Window → Master」 で、「Output」 の音量を小さくしておきます。

    【重要】

    ASIO Driver は、OS の音量調節機能が効きませんので、「常に最大音量で鳴らす」 感じになっています。

    予想外に でっかい音が鳴らないように、とりあえず Output の音量を小さめにしておきましょう。

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    ※ キーボードの 「Shift」 キーを押しながらドラッグすると、「0.1」 単位で微調節が出来ます。

  3. VSTi を起動して、音を鳴らしながら音量を調節します。
    1. Magical 8bit Plug を起動して、Out に接続します。

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    2. 「View → Keyboard Bar」 にチェックを入れて、試聴用のキーボードバーを表示します。

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    3. 必要であれば、「×」 の下のつまみ部分 (?) をドラッグして、ウィンドウを分離させます。

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    4. Keyboard Bar のどれかのキーを 「右クリック」 して、音が鳴りっ放しの状態にします。

      Keyboard Bar で 「右クリック」 をすると、そのキーの音が鳴りっ放し (Hold Pedal を踏んだ状態) になります。

      ※ 音を止める場合は、「左クリック」 して下さい。

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      【音が鳴らない場合】

      Magical 8bit Plug の 「MIDI Input Devices」 に 「* Keyboard Bar *」 を追加して下さい。

      (※ 「Ctrl + クリック」 で、選択の追加・解除が出来ます。)

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    5. ちょうど良い音量になるように、「Master」 の 「Output」 を調節します。

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    6. ちょうど良い音量になったら、「Output」 以外の音量も、同じ値にしておきます。

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      ※ ちょうど良い音量の値は、各自の環境によって異なります。

ASIO Driver の音が鳴らない場合

「Devices → ASIO Control Panel...」 で、Out の設定が有効になっているかどうかを確認して下さい。

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※ 「×」 が付いている場合は、(たぶん) 「他のアプリで使用中」 という意味なので、「VSTHost および 他の音が鳴るソフト (ブラウザも含む)」 を終了させてから、VSTHost を起動し直してみて下さい。

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【有効にならない場合】

有効にならない場合は、次の項目を確認してみて下さい。

それでも駄目でしたら…すみません、私には解決方法は分かりません。

有料の 「USBオーディオ」 等の 「オーディオ IF と呼ばれる機材」 を購入するしか無いかと思います。

(OS の 「再生」 のデバイスを現在のドライバに、ASIO Driver のデバイスを オーディオIF にすることで、「ASIO と それ以外とで、デバイスを使い分ける」 ことが出来るようになります。)

排他仕様について

環境によっては、「VSTHost と、Windows Media Player 等の音が同時に鳴らせない」 場合がありますが、それで正常ですのでご安心下さい。

【重要】

ASIO Driver は 「排他仕様」 と言われていて、ASIO Driver を使用中は、MME Driver からの音が鳴らせなくなります。

※ これは、逆も成り立ちます。

(MME Driver を使用中は、ASIO Driver からの音が鳴らせなくなります。)

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環境によっては ASIO Driver と MME Driver の両方から同時に音を鳴らせる場合もありますが、その場合は 「ラッキー」 と思いましょう。

例えば、私の環境だと、OS が XP SP3 だと鳴らせるのですが、同じ PC にデュアルブートでインストールしている Vista SP2 64bit の方では、鳴らせません。

※ ここで言う 「環境」 というのは、OS だけでなく、PC 内部に使われているパーツ (マザーボード、CPU、メモリ、グラボ、HDD、サウンドカードなど) も影響すると思われますので、「OS が XP なら大丈夫」 というわけではありません。

どちらかというと、「鳴らせない方が普通で、鳴らせる場合はラッキー」 と考えた方が良いかと思います。

ぶっちゃけ不便ですが、基本的には MME Driver よりも ASIO Driver の方が安定するらしい ですので、なるべく ASIO Driver を使った方が良いかと思います。

(ASIO Driver にしないと、音が鳴らない VST もあるようです。)

ただ、やはり不便は不便ですので、MME Driver でも安定しているようであれば、MME Driver のままでも構いません。

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